ロシア料理と言われて思いつくものの一つに、肉や野菜を煮込み、サワークリームを添えた、ボルシチがあります。発祥はウクライナのようですが、シベリア風、モスクワ風など、各地域によって様々なレシピがあるそうです。
特に、ボルシチに欠かせない材料なのがビーツ。ウクライナ語でブリャークと呼ばれるビーツ(テーブルビート)は、砂糖(甜菜糖)を取るテンサイ(シュガービート)や、葉を食べるフダンソウ(リーフビート)の仲間で、カエンサイ(火焔菜)とも呼ばれる、日本の赤カブとは別種のものです。芯まで濃い赤色をしていて、その色は、食用色素の原料としても使われるそうです。
日本でも最近は、生のビーツが売られていますが、主に、缶詰や瓶詰のものが入手しやすいでしょう。ロシアをはじめ、欧米では広く親しまれている根菜で、甘味があり、サラダや酢漬け、煮込みなど、様々な料理に使われます。ボルシチは、刻んだビーツを加えて煮込むことで、色素が溶け出し、独特の赤い色に仕上がります。