「馳走」とは、本来「走り回る」という意味の言葉でした。
その昔、大切な客人を迎える時に、その準備のため、馬を走らせて方々へ出向き、物品を調達していました。流通が整った現在とは違い、もてなしの品々を集めるのに、苦労のいる時代だったのでしょう。
その様子から、「馳走」と言う言葉に「もてなし」の意味が含まれるようになり、さらに丁寧語の「ご馳走」という、贅沢で豪華な料理を意味する言葉となったようです。
それから、食事をした後のあいさつとして、「ごちそうさま(でした)」と言うようになったのは、江戸時代後期に、ご馳走をいただいた事への感謝の意をあらわす言葉として、使われ始めたのがきっかけなんだそうです。
今となっては、何気なく使いがちな言葉ですが、きちんと意味を理解すると、食ベ物や作り手への感謝の気持ちが、自然とわいてきませんか。