日本では、古代より食されてきたワカメ。日本の広い範囲に分布している一年生の海藻で、現在ではほとんどが養殖ものだそうです。
その収穫は、春から初夏にかけて行われます。春が旬の生ワカメは、新鮮さが命です。さっと湯に通すと、茶色がかっていたものが鮮やかな緑に変わります。刺身やサラダ、和え物にしたり、しゃぶしゃぶのようにしても美味しくいただけます。
またタケノコとワカメを組み合わせた若竹煮は、実に春らしい一品といえるでしょう。
日持ちのしない生ワカメですが、長く保存するために、昔から様々な工夫を施されてきました。
そのままつるして乾燥させた素干しワカメ、灰をワカメにまぶして天日乾燥した灰干しワカメ、薄い板状に乾燥させた板ワカメ、葉を細く裂いた糸ワカメなど、乾燥ワカメは地方により様々な方法で作られています。
一般的によく知られている湯通し塩蔵ワカメは、ワカメを湯通ししてから塩をまぶしつけたもの。昭和40年代に養殖技術が広まってから、作られるようになったものだそうです。
カットワカメは、生ワカメや塩蔵ワカメを洗浄、裁断して乾燥したもの。保存性もよく手軽に使えることもあり、ワカメスープや海藻サラダといった即席の食品などにも、幅広く利用されています。