いなり寿司と巻物を詰め合わせたものを、助六寿司といいます。
助六とは、歌舞伎の有名な演目「助六由縁江戸桜」(すけろくゆかりのえどざくら)に登場する主人公であり、演目自体の通称でもあります。
助六寿司の由来の一つに、助六の恋人である”揚巻”の名前にちなんだもの、という説があります。揚巻の”揚”を、油揚げに包まれたいなり寿司に、”巻”を巻物になぞらえ、この2つを詰め合わせて、揚巻と恋仲であった”助六”の名で呼ぶようになったのだとか。
揚巻寿司ではなく助六寿司と言うのも、江戸らしい洒落の効かせ方かもしれませんね。
また、助六が頭に巻いた紫のハチマキを海苔巻きに、揚巻を油揚げを使ったいなり寿司に見立てた、という説や、揚巻の名にちなみ、この演目の幕間に出すために作られた弁当であったからとも言われています。